文庫本について知ろう
- 作成日:2020年7月12日
- 更新日:2020年7月12日
文庫本を知らない方はいないと思います。
では、その特徴を言葉で伝えられる方は…。
意外と
「あれっ?何やろ…。」
って思うのではないでしょうか。
本サイトのコンセプトでもある
【文庫本の魅力をもっと世に知らしめる】
ために、ここでは文庫本の特徴を紹介しようと思います。
大きさ・重さ
文庫本はA6版(105mm ✕ 148mm程度)と非常にコンパクトです。
それゆえ、バッグに常に入れて持ち歩く方や、公共交通機関で移動中に読む方も多いのではないでしょうか。
また、家庭でも保管場所を選びません。
通常の単行本(ハードカバー)は文庫本よりもかなり大きいサイズです。
もちろん、それなりの重量がありますので、これでは持ち運びには適していません。
どっしりと腰を据えて読む際は良いのですが、必ずしもそういうシチュエーションで読書というわけにはいかないのが世の常。
ちょっと栞を挟んで中断…という際には手軽で便利ですよね。
読みやすさ
長所と短所は表裏一体。
小さいが故のデメリットのひとつは、文字の大きさにあるのではないでしょうか。
つまり、媒体が小さいので書かれている文字も小さい。
これはまさに必然ですね。
とはいえ、当然ながら虫眼鏡や顕微鏡を用いないと読めない…なんてことは全くありません。
日常生活に支障がない程度の視力をお持ちでしたら、差支えはまずありません。
特徴の一つとしてお知りおきください。
価格
単行本の価格はおよそ1,200~2,000円。
文庫本の価格はおよそ600円~900円。
何と倍半分も違うんですよね。
私のように貯蓄が潤沢にない人間にとって、これは本当に嬉しい限りです。
文庫本を購入する最大のメリットと言えるのではないでしょうか。
ただ、東野圭吾の『白夜行』や京極夏彦の『絡新婦の理』など、800ページも1000ページあるような文庫本は1,000円を軽く超えてきます。
しかも先述の特徴と矛盾するようですが、ここまでの大きさだと単行本の方が読みやすいと思います(笑)
出版タイミング
「基本的に」小説というものが新刊として出版される場合、99%単行本形態です。
これが文庫本の最大の欠点だと思います。
新刊が文庫本形態なのは、ラノベや書き下ろしくらいのものです。
一般の娯楽小説ではあまりありません。
新刊が文庫化されるまでの期間は早くて1年、遅ければいつまで経っても文庫化されないというケースも…。
そうなると、読みたい小説に関しては単行本を購入する必要があるケースも、当然あるのでしょうね。
解説・裏表紙の有無
最後に文庫本の長所をひとつ。
本編終了後の巻末の解説をご覧になったことがあるでしょうか。
まれにネタバレを含んでいるので、読了前に目を通すのは危険な場合もありますが(そういう場合にはだいたい注意書きがあるので安心)、作品のポイントや一読しただけではわからない登場人物の感情などを記述してくれています。
しかも多くは作家の方の解説なので、いろいろな視点から分析してくれています。
非常にありがたいですよね。
また、文庫本の裏表紙にはあらすじが記載されていることがほとんどです。
書店の文庫本コーナーをウロウロしていると、文庫本の裏表紙をチラッと見て購入するかどうか決めている人がたくさんいます。
当然あらすじには
「この小説はつまらないです。駄作です。」
なんてことは書かれていません。
あらゆる小説が、まるで文学史に残る名作であるかのような紹介がされています。
ですが、おおまかにどのような作品なのかな…というのは非常にわかりやすい。
今でこそスマホでチョチョイと調べればあらすじなんて知ることができますが、文庫本をクルッとひっくり返すだけならもっと手間いらず。
多くの方が購入の際の参考にするのも頷けます。
まさにこれは長所と言えるでしょう。
最後に…
いかがでしたでしょうか。
これまでに挙げた特徴はあくまでも私の主観であり、実際はもっとたくさんあることでしょう。
ちなみに文庫本の始まりは、出版社側が古典や既刊されている名作の普及を目的としたものだそうです。
その目的は、現時点では大いに果たされているのでしょうね…。