誰の「人格」が殺人を犯した?『人格転移の殺人』西澤保彦

誰の「人格」が殺人を犯した?『人格転移の殺人』西澤保彦

突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか?人格と論理が輪舞する奇想天外西沢マジック。寝不足覚悟の面白さ。

「BOOK」データベースより
Advertisement

タイトルについて

「人格転移」とはこれまたSFチックなタイトルですね。

それもそのはず、本作はSFの設定をバリバリに使用したミステリですので。

まさに西澤保彦が得意とするジャンルです。

ストレートながら本作がどのような作品であるかを読者に知らしめる良いタイトルですよね。


装丁・表紙について

オレンジに彩られたちょっと不気味な表紙ではありません?

場所や状況もちょっとわかりにくいですね。

西澤保彦のミステリ作品ってこういう装丁の作品が多くないですね。

ポップな作品はとことんポップに描かれているイメージですが、ミステリについてはこのような「気味の悪さ」や「怖さ」を強調しているものが多いという個人的な感想です。


ストーリーや私的思い入れ

SFミステリとして評価の高い作品です。

西澤保彦のSF作品と言えば、『神のロジック 人間のマジック』や『七回死んだ男』が有名ですが、本作もそれらの作品に勝るとも劣らない良作となっています。

まず設定が秀逸。

人格が入れ替わる作品と言えば、『君の名は。』が近年では最も有名かと思われますが、本作では複数人での人格の入れ替わりが行われます。

それも一度ならず何度も、順番に時計回りに…。

という具合に人格がスライドしていく設定なんて、誰が思いつきますか!

ストーリーについても、読んでいるうちはかなりややこしく感じるかもしれませんが、最終的に結末が明かされると腑に落ちると言うか、「なるほど」と思うこと請け合いです。

読んでもなお「わからん」と思われた方は、解説サイトもたくさんありますので、そちらを読んで納得されてください(笑)

ともかく、読んで損はない一冊です。