「救済」は誰がために?『聖女の救済』東野圭吾

「救済」は誰がために?『聖女の救済』東野圭吾

資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。

「BOOK」データベースより
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タイトルについて

最初は意味がわからなかったこのタイトル。

実は読み進めるうちに意味がわかってくる系なんですよね。

しかもあまり詳しく説明するとネタバレになってしまうのですが、この何の変哲もないタイトルがそのままメイントリックに関わっているんです。

響きが美しいタイトルも好きですが、こういうのも素敵ですね。


装丁・表紙について

色とりどりの花柄が描かれていて美しいですね。

実は「花」も本作のトリックに関わってくるキーアイテムとなっています。

本作は同ガリレオシリーズ『容疑者Xの献身』の完成度と比較すると見劣りするのですが、ミステリ単体として考えると非常に完成度は高いです。


ストーリーや私的思い入れ

『ガリレオシリーズ』の第5弾として注目されていた本作。

よく『容疑者Xの献身』と比較され貶められているような気もするのですが、個人的には本作は『ガリレオシリーズ』の中ではトップクラスに気に入っているのです。

先述のとおり、そりゃあ『容疑者Xの献身』には完成度は劣るとは思いますけどね…。

本来は『ガリレオシリーズ』最初の作品『探偵ガリレオ』から紹介するのがスジってものかもしれませんが、本ブログではそんなことはお構いなしです。

本作は倒叙形式のミステリで、あらかじめ読者には犯人が提示されています。

しかし、湯川学が小さな手がかりから犯人を追い詰めていき、完全犯罪かと思われた事件を解決する流れは素晴らしい!

思わぬところに潜んでいる仕掛け、最終的に判明するタイトルの意味にも驚かされます。

表紙もキレイで、文庫本として完成されていると私は思うのです…。

そもそも東野圭吾の作品は非常に可読性が高く、ミステリとしても読み物としてもハイレベルですよね。

現時点で『ガリレオシリーズ』は第9弾まで発表されています。

本ブログでもシリーズ作を紹介することもあると思いますが、シリーズがいつまで続くのかもファンにとっては気になるところでしょうね。