「すべてが、伏線。」に偽りなし『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼

「すべてが、伏線。」に偽りなし『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。

「BOOK」データベースより
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タイトルについて

まずタイトルの「medium」ですが、「媒介」を意味する英単語ですので、霊媒・城塚翡翠が自身を「媒介」し死者の声を聞くという特殊能力が由来だと思われます。

しかし続く「霊媒探偵城塚翡翠」にもヒントがあるとは、読了前は思いもしませんでした…。


装丁・表紙について

第一印象は非常に美しい表紙だと思いました。

恐らく翡翠のイラストですが、ミステリアスで本作の印象とピッタリですね。


ストーリーや私的思い入れ

本作は前評判が非常に良い作品でした。

「すべてが、伏線。」とハードルを上げに上げまくり、主要ミステリ・ランキングを総なめしたうえに、綾辻行人や有栖川有栖らミステリ作家が大絶賛。

そりゃ読み手としても警戒するってもんです。

しかし、本作は読み手の想像の遥か上空を嘲笑いながらぶっ飛んでいく作品でした。

まず「霊媒」なんて怪しげなキーワードが登場しますが、城塚翡翠の特殊能力である「死者の声を聴く」ことにより、主人公である推理作家・香月史郎が難事件を解決するというストーリーです。

先述のとおり、ミステリを読み慣れた読者でしたらかなり警戒する設定ですよね。

そして終盤にかけて種明かしがされていくのですが、もう頭が混乱してわけがわからなくなってしまいました。

作者・相沢沙呼はマジシャンとしての一面も持っていますが、まさにマジック!

「霊媒」という設定を「あのように」使用してくるとは恐れ入りました。

あまり語るとネタバレになりそうなのでここまでとしますが、2019年を代表する一作であることは疑いようのない事実です。

「最驚」にして「最叫」の本格ミステリの愉しさを、たくさんの方に味わってほしいと思います。

騙されまいと思われる方は、タイトルや登場人物の言動など、あらゆるところに着目して読んでくださいね。

あと、翡翠ちゃんは終始可愛い。