短編イヤミスの傑作『クール・キャンデー』若竹七海

短編イヤミスの傑作『クール・キャンデー』若竹七海

「兄貴は無実だ。あたしが証明してやる!」誕生日と夏休みの初日を明日に控え、胸弾ませていた中学生の渚。だが、愉しみは儚く消えた。ストーカーに襲われ重態だった兄嫁が他界し、さらに、同時刻にそのストーカーも変死したのだ。しかも、警察は動機充分の兄良輔を殺人犯として疑っている!はたして兄のアリバイは?渚は人生最悪のシーズンを乗り切れるか。

「BOOK」データベースより
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タイトルについて

最初にお伝えしておくと、タイトルは「キャンディー」ではなく「キャンデー」です。

作中に特にキャンディーや飴が登場するシーンはなかったかと思うのですが、未だにタイトルの意味は不明

誰かご教授ください…。


装丁・表紙について

私が所持している文庫本とは、現在では表示が変わっています。

個人的には新しい方の表紙が好みではありますが、ストーリーと表紙が乖離しているという点は、どちらも共通していますね…。


ストーリーや私的思い入れ

『葉村晶シリーズ』でおなじみの若竹七海の本格ミステリです。

ミステリやホラーなど、いろいろなジャンルの小説を夜に送り出している彼女ですが、特に本作は世間一般に最も知られている作品でしょう。

若竹七海は知らないけど『クール・キャンデー』は知っているー。

若竹七海は『クール・キャンデー』だけ読んだことがあるー。

そういう方は多いかと思います。

他にも面白い作品が多々ありますので、チェックしてみてくださいね。

それはさておき…本作はたった200ページ弱という短編小説なのです。

文庫本を手に取ると、ペラッペラですよホントに!

ですが、中身はギュギュッと本格ミステリ要素が閉じ込められているんですよね。

まずストーリーは、主人公である中学2年生・杉原渚が、兄嫁の死に関わっているという嫌疑をかけられている兄・良輔の無実を晴らすために奔走するというものです。

ここだけ聞くと、よくあるコージーミステリ(日常の謎)のような感じがしてきます。

実際、読者の予想どおりの展開でストーリーは進んでいきます。

ところが、終盤にかけて怒涛の展開!

最後の最後まで読者に衝撃を与え続ける若竹七海の手腕には、本当に驚かされました。

前述のとおり、本作はかなり短い小説であるにも関わらず、読了後の満足感はコスパ最強の傑作です!

ところで本作の季節は夏、主人公が子どもということであれば思い浮かぶのが、乙一の『夏と花火と私の死体』ですね。

あちらもそこそこイヤーな気持ちにさせてくれましたが、本作もかなりイヤミス度が高いと思います。

サクッと読んでミステリを楽しみたいという方は是非一読を。